「自分が楽しいかどうかは、どうでもいい」角田裕毅のアシストも奏功。レッドブル・ホンダは総力戦で勝負に勝った (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 角田も自分のレースを犠牲にしてまで、フェルスタッペンを援護するつもりはなかったようだ。だが、結果的に8周目までの攻防でタイヤを傷め、初の体験だったインターミディエイトのタイヤマネージメントをうまく学ぶことができなかった。それが第2スティントでのペース不足につながってしまった。

「今日は本当にポイントが獲りたかったんです。だからすごく残念です。僕たちはコンストラクターズ選手権で5位争いをしていますし、今日は周りのライバルに比べて大きくポイントを稼ぐチャンスでしたから、がっかりしています」

 結果的にホンダ勢は今季まだ一度もない4台入賞を逃し、アルファタウリとしても角田のポイントを失っただけでなく5位争いの相手であるアルピーヌ(エステバン・オコン)に1点を献上してしまった。

 ハミルトンとの攻防はすばらしかったが、アルファタウリ・ホンダのドライバーとして第一に果たすべき仕事が果たせなかったという点に、角田自身は納得していなかった。

 しかし、角田の貢献がハミルトンに11秒のロスを与え、フェルスタッペンには届かない位置まで押し込めたことも事実だ。

 ハミルトンはレース中盤の30周目過ぎにセルジオ・ペレスに追い着き、実質的な3位争いを展開。しかしペレスは、激しいバトルの末に34周目のターン12で一度は抜かれても、メインストレートから35周目のターン1で再び抜き返す意地も見せた。

「彼のルイスに対するディフェンスは、まさに我々が期待していたことだ。今日の彼の走りはまさしく表彰台にふさわしいものだったし、非常にいいペースだった。タイヤも非常にうまくマネージメントしたし、今日の彼のパフォーマンスには非常に満足しているよ」(クリスチャン・ホーナー代表)

 結果的にハミルトンはタイヤ交換のタイミングを誤って5位に後退したが、それがなければ最後までペレスと激しい3位争いを繰り広げていたはずだ。

 優勝には届かなかったものの、レッドブルは日本GPが行なわれるはずだった日曜日のトルコでチャンピオンシップホワイトのマシン2台をパルクフェルメに並べ、純白のレーシングスーツに身を包んだふたりが表彰台に立った。

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