レッドブル・ホンダ、純白ボディに「ありがとう」。トルコから感謝の思いよ届け

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 2021シーズンのタイトル争いも、いよいよ佳境に入りつつある。前戦ロシアで4基目のパワーユニット投入のペナルティを消化しながらも2位に入ったフェルスタッペンとしては、ここで勝って再び選手権リードを取り戻したいところだろう。

 イスタンブールパークはガスリーのみならず、多くのドライバーが好評価を与えるサーキットだ。だが、昨年は舗装したての路面にオイルがにじみ、雨と相まって極めてグリップレベルの低い特殊なコンディションになってしまった。

 今年は高圧洗浄車などを駆使してグリップの向上に努めているというが、いったいどのくらいのグリップレベルなのかは走ってみなければわからない。だからどのチームもまったく未知数のまま、今週末に臨むことになる。

「子どもの頃にやっていたゲームでこのコースは走っていて大好きだったから、去年はここで走るのが楽しみだった。なのにあのグリップレベルだったから、ちょっとガッカリしていたんだ。

 だから、今年は楽しみだよ。とてもクールで面白いサーキットレイアウトだから、ここを走るのはすごく楽しいはず。今年はいいコンディションであることを願っているよ」(フェルスタッペン)

 レッドブル・ホンダは昨年、ウエットコンディションのスタートで大きな失敗を経験した。その反省から踏み込んだ研究を重ねたことが今季の好スタートにつながっている。

 コースは未知数のドライコンディションとなるのか、はたまた土日に多少のにわか雨が予想されている影響を受けるのか。いずれにしても、ホンダとしては特別な思いで挑む週末に可能なかぎりの準備をして、どんなコンディションにも即座に対応できるように臨む。

 技術面を預かる立場だけに普段は努めて感情を表に出さない田辺豊治テクニカルディレクターも、このトルコGPには特別な思いで臨んでいる。

「(特別カラーは)本来ならば鈴鹿でお披露目したかったので、残念ながらトルコとなってしまいましたが、さらに気持ちを入れて臨んでいます。技術的にはいつもと変わりありませんが、人間には気持ちというのがありますから、気持ちをさらに高めて臨みたいと思います」

 日本のファンの前で日本GPを戦うことができなかった悔しさと感謝の思いは、海を越えてこの地に届くはずだ。

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