レッドブルが「オールホンダ」でいざ勝負。新技術投入でロシア初勝利なるか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 レースをするうえで、人命と安全は何よりも優先されなければならない。当人同士の話し合いのみならず、何が認められて何が認められないのか、FIAや全ドライバーも含めて今一度、話し合い明確にすべき時に来ているのではないだろうか。

 超一流の腕を持ったドライバーたちであろうと、ルールが違えばお互いの考える"限界"にズレが生じ、そのズレた分だけレーシングラインが接触する。

 世界最高峰のドライバーたちが、世界最高峰のテクノロジーを惜しみなく注ぎ込んだマシンで、世界最高峰の戦いを見せるからこそのF1だ。最高のマシンがグラベルでレースを終える姿、ましてや誰かが傷つく姿など誰も見たくはない。

 一方、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、シーズン後半戦に入ってから思うようなレースができていない。豪雨のスパのあとは、2戦続けてトラブル続発。

 しかし角田自身は、ラップごとに自分のやるべきことを意識して走るというアプローチがうまくいき、地に足をつけた学習と成長が果たせているという手応えを掴んでいるようだ。

「今週末もステップバイステップのアプローチを続けるつもりですし、サーキットやマシンがどのように機能するのかを徐々に学んで行くつもりです。実際のところ、マシンについてとくにここ6〜7戦は安定していいパフォーマンスを見せているので、僕としては自身のドライビングを向上させていくことに集中していくつもりです。これまでのレースを見てもF2マシンとF1マシンでまったくの別物なので、それを理解するために努力をしているところです」

 ソチはFIA F2でポールポジションを獲得し、フィーチャーレースで2位に入った。FIA F3でも走っており、サーキット自体の経験は十分にある。あとはF1マシンでの習熟に集中するだけだ。

 今回はスプリント予選がないため、3回のフリー走行を十分に使ってから予選に臨むことができる。だが、土曜は1日を通して雨の予報となっており、角田にとってはまた試練の週末になるかもしれない。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る