「初めて目撃するシーンが何度もあった」F1フォトグラファーふたりが「今季レースが一番面白い」と断言 (2ページ目)

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi

ーー大変な思いをしてまでも現地で取材をしたかった理由は、やっぱりホンダのラストイヤーを見届けたいという思いがあったからでしょうか?

熱田
 そうです。あとは7年ぶりに誕生した日本人ドライバーの角田裕毅選手(アルファタウリ・ホンダ)のデビューシーズンをしっかりと記録したかったこともありますね。

桜井 もちろん僕も同じ気持ちです。ホンダと角田選手が鈴鹿サーキットで、母国のファンを前にして走る姿を撮りたかったという気持ちが強くありました。それだけに、秋の日本GPの中止は残念でならないです。

熱田 鈴鹿サーキットの現場の方々は開催を目指してギリギリまで頑張っていたと聞いていますが、本当に残念という言葉しかないです......。

ーーそれでも今シーズンのF1はすごく面白いと評判です。ここ数年はメルセデスの独走状態が続いて退屈していたファンもいたと思いますが、今季は信じられないシーンが続出しています。

熱田
 本当にそうですよね。F1取材を始めてから30年以上経ちますが、単純にレースの面白さということに関しては一番だと思いますね。マクラーレン・ホンダのアイルトン・セナとアラン・プロストが競い合った80年代後半から90年代前半の"セナプロ時代"よりもレース自体は面白いと思います。

桜井 同意です。シーズン序盤から、毎回違う面白さがありますし、初めて目撃するシーンが何度もありました。ハンガリーGPは再スタートの時にグリッドに着いたマシンがハミルトンの1台だけでした。そんなシーンは今まで見たことがなかったです。第6戦のアゼルバイジャンGPもそう。ゴール目前で首位を走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のタイヤがパンクしてクラッシュ。レースは赤旗中断になりますが、普通だとそのままレースは終了です。でもスタンディングスタートで、2周のスプリントレースをやっちゃいました。こんな経験もないです。

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