「すごく特異なルックス」フェルスタッペンも角田裕毅も興味津々。最終コーナーの傾斜角がすごすぎる

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 かつてザントフォールトの支配人を務めていたジョン(ハンス)・フーゲンホルツは、1960年代に鈴鹿サーキット創設時のデザイン案にアドバイスしたまさにその人であり、ザントフォールトと鈴鹿にどこか似た雰囲気が漂っているのも確かだ。

「鈴鹿のようにオールドスクールなスタイルで、改修でランオフエリアが少し広がったとはいえ、ミスを犯せば大きな代償を支払うことになるという点でも、フィーリングは似ているね」(フェルスタッペン)

 フェルスタッペンは「過去のデータがないから何とも言えない。FP1を走ってみれば、セットアップ作業などどの方向性に進めばいいのかがもっと具体的に見えてくると思う」と慎重な発言をしているが、セルジオ・ペレスの発言からはレッドブルが今週末に向けて自信を持っていることが感じられる。

「今週末の僕らはコンペティティブだと思う。僕らのクルマに合った中高速コーナーが多く、メルセデスAMGもストレートで強力だとは思うけど、いい勝負ができると思う。

 高速コーナーが多いけど、ランオフエリアはほとんどない。オーバーテイクができる場所はほとんどないから、今週末は土曜日がとても重要になる。ドライバーとしては、土曜まではとても楽しめると思うけど、日曜日は抜けないし、少しハンガリーGPのようなレース展開になるんじゃないかと思うよ」

 ターン3とターン14のバンクつきコーナーでは、その傾斜をどのように生かすかでドライビングが変わってくる。スロットルの踏み方やブレーキングの仕方が変われば、パワーユニットとしてもエンジンのトルクやエネルギーの使い方を刻々と変えていかなければならない。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、ホンダのエンジニアにとっても対応力が問われる週末になると語る。

「映像で見るよりもバンクがきつくて、我々もシミュレーションをして臨んできていますが、そこを初めて走るドライバーたちがどんなラインで走るのか、バンクやアップダウンのあるコースを初めて走るということもあって刻々と乗り方は変わってくるでしょうから、それに対して我々はきちんとデータにフィードバックし、最適化をいかに早く進めるかが大切になってきます。

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