角田裕毅に問われている不用意なミスへの理解度。後半戦の走りへの期待 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

「ペレス選手のパワーユニットに関しては、ICE本体がダメでした。ほかのコンポーネントも細かく見ていますが、MGU-K(※)とMGU-H(※)は十中八九、大丈夫です。

※MGU-K=Motor Generator Unit-Kineticの略。運動エネルギーを回生する装置。
※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 マックス(フェルスタッペン)のほうは、ICEはまだ動くのでかなり状況は違います。いろいろなかたちで補修を検討している段階ですが、現状判断で言うと予選・決勝で使えるものではないと判断しています。MGU-KとMGU-Hに関しては健全な状況であることは明らかです」

 4基目の投入とグリッド降格ペナルティは避けられない状況ではあるが、場合によってはICEのみの投入で10グリッド降格ペナルティに抑えることも可能だ。

 開幕前はF1挑戦のラストシーズンを「一戦一戦、悔いのないよう戦いきりたい」としていた田辺テクニカルディレクターだが、その戦いももう残り半分となってしまった。

「『シーズンの半分まで来てしまったな』という思いもありますが、『まだ半分ある』という思いはそれ以上にあります。ここから最後、シーズンが終わるまで何があるかわかりませんし、このところいろいろありましたが、不運はもう使い果たしたと考えています。トラブルや問題を呼び込まないようにきちんと準備して対応し、最後まで全力でひとつひとつのレースを大事に戦っていきたいと思います」

 そして角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、正念場となるシーズン後半戦を前にこう語る。

「夏休みの最初はまだ少し仕事が残っていて、ハンガリーGPを終えたあとそのままイギリスに行き、2日間シミュレーター作業をやってきました。ハンガリーGPのコラレーション(誤差確認)と次の3連戦に向けた作業です。

 そこからイタリアに帰るビザの問題でイギリスに少し居残ることになってしまったので、夏休みの1週目はそれで終わってしまいました。イタリアに戻ってからは新居の家具を揃えるためのショッピングにかなり時間を費やしました。最終週はコモ湖でリラックスして(心身の)バッテリーの充電に専念してきました」

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