角田裕毅に問われている不用意なミスへの理解度。後半戦の走りへの期待 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 トップスピードはまだまだだと語るフェルスタッペンだが、「どういうことかわからない」と首をかしげる関係者もいる。

 ポール・リカール(第7戦フランスGP)やレッドブル・リンク(第8戦シュタイアーマルクGP、第9戦オーストリアGP)ではダウンフォースを削り、メルセデスAMGを上回るストレートスピードでタイムを稼いでいたからだ。そんなセットアップでスパのセクター2をスムーズに駆け下りることができれば、ストレートもコーナーも速いマシンになる。

「僕がF1で楽しいと思うのは高速コーナーだ。F1マシンがどれだけ速く走れるかということを感じることができるからね。スパはコーナーのコンビネーションと高低差もあって最高だ。F1マシンで走っていて最悪なのは低速コーナーで、全然グリップがないし退屈だ。グリップが感じられるのは高速コーナー。スパにはそんな高速コーナーがたくさんある」(フェルスタッペン)

 今週末は3日間とも雨の予報が出ている。

 ただし「スパウェザー」と言われるように、不安定な天候はいつものことで、降るといっても軽いにわか雨のこともあれば豪雨になることもある。そんな急変に、ドライバーだけでなくマシンもパワーユニットも対応できなければならない。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは言う。

「前半戦は総じて言えば選手権争いに絡み、一時は先頭に立つという、いいかたちで戦うことができました。最後の2戦は我々にはコントロールが効かないような出来事などいろいろありましたが、2週間のオフの間に身も心もリフレッシュして後半戦に臨む準備ができています。

 スパ・フランコルシャンはスパウェザーと呼ばれるように、木曜から週末に向けて不安定な天候になるということで、時間を大事に使って予選・決勝に備えていきたいと思います」

 シルバーストンでクラッシュしたフェルスタッペンの2基目、そしてハンガロリンクで車体側面に激突されたセルジオ・ペレスの2基目は、ICEがダメージを負ったものの、それ以外のコンポーネントは無事だった。

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