中野信治が角田裕毅のドライビングを分析。「あまりにもったいない」と考えたことは? (2ページ目)

  • 川原田 剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo

 そうでなくても今季から金曜日の2回のフリー走行が従来の90分間から60分間に短縮され、新人ドライバーにとってかなり不利な状況になっています。そのうえで走行時間を減らすようなことはあってはならないと、チームからも口が酸っぱくなるほど言われていたと思います。

 予選まで着実に自分の仕事をして、決勝でバトルしている最中にアグレッシブに攻めてクラッシュしてしまったというのであれば仕方ない。本人も、応援しているファンの皆さんもスッキリすると思います。でもフリー走行や予選のQ1でコースインのあとにいきなりクラッシュして走行できず、最後尾からのスタートになってしまったのでは、あまりにもったいない。

 そういう経験を前半戦に何度かしましたので、後半戦に向けてはうまく修正してきてくれることを期待しています。フリー走行から予選、決勝までのレースウィークをうまくまとめられれば、成績もおのずと上向きになっていくと思います。

 後半戦、角田選手がやるべきことはシンプルです。成績うんぬんよりも、安定した走りで高い評価を受けているチームメイトのガスリーに対してどこまで戦えるか。予選でも決勝でもチームメイトを上回る成績を1回でも2回でも残せば、評価は大きく上がっていきます。

 今シーズン、角田選手がガスリーに遅れをとっていた大きな要因のひとつは、アルファタウリのクルマが角田選手のドライビングに合っていない部分があるからだと思います。角田選手とガスリーの話を聞いていると、マシンの感じ方がすごく違っているようです。ガスリーは常にリヤが軽くて不安定だと言っていますが、角田選手はリヤがしっかりしているとコメントしていることがあります。そのため角田選手は何か迷っているところがあるのかなと感じています。

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