フェルスタッペン、接触したハミルトンにチクリ。「押し出されないことを願うよ」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

「低速サーキットであり、高外気温ということで冷却も厳しくなりそうなので、その点も注意しながら進めていきたいと思います。シルバーストンではいろいろありましたが、夏休み前の前半戦の締めくくりですから、ここまでのいい流れをしっかりと維持して、気持ちのいい形で夏休みを過ごせるような週末にしたいと思っています」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

 前戦イギリスGPでは、フェルスタッペンがルイス・ハミルトンと接触して大きな事故に巻き込まれ、マシンに甚大なダメージを負った。ホンダとしてもパワーユニットをHRD Sakura(栃木県さくら市)とHRD MK(英国ミルトンキーンズ)のファクトリーに送り返し、詳細なチェックと可能なかぎりの部品交換を行なわなければならなかった。

 使用済みパワーユニットは年間3基の規定を管理するため封印が施されており、部品を分解して検査することができない。そのため非破壊検査やファイバースコープでのチェックなど、制約のなかでできる検査を行なってコンポーネントの無事を確認してきた。

「封印を解かなければ見えない部分はありますが、ファイバースコープで覗ける部分は内部まで入念に見ています。クラッシュ後にしばらくエンジンが回っていましたから、その間のデータやその時のオイル分析などからも(パワーユニットのダメージ状況は問題ないと)判断しています。

 継続使用できる可能性は、フィフティーフィフティーより高いと思っています。ただし、あれだけ精密な部品の組み合わせでもありますし、全バラしてチェックしたわけでもありませんから、回してみなければわからないというのも事実です」

 今季2基目のパワーユニットが破損したとなれば、年間3基で23戦を戦うことは難しくなり、一度は最後尾スタートのペナルティを受ける可能性が高くなってしまう。それだけに、まずは継続使用が可能というのは朗報だった。

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