角田裕毅、先週レースの「答え合わせ」ができるか。大きな前進へのチャンスだ (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

「同じサーキットでもう1回レースができるのは、僕にとっていいことですね。もちろん、コンディションにもよるので雨にはなってほしくないですが、去年のFIA F2の時もオーストリアで2週連戦をやって2ラウンド目はうまくいったので、今年も楽しみにしています。

 今週末はタイヤコンパウンドも違ってC5タイヤを使うので、先週よりもグリップが高く、楽しい予選になると思います。それが決勝でどのようになるのか、そこも楽しみですね」

 先週は抑えめのアプローチがうまくいき、ミスなく週末を乗り切って10位入賞を果たした。

 しかしレースペースという点では、前走車を抜けずに抑え込まれてしまったこともあって、満足のいくものではなかった。同じサーキットでその"答え合わせ"ができるということは、角田にとって極めて大きな前進のチャンスになり得る。

 ライバルとの力関係という点では、相対的なポジションは下がる可能性さえあるだろう。しかし、そこにはF1マシンやタイヤマネジメント、レース運営を学ぶうえで極めて重要な学びがある。

 チームメイトのピエール・ガスリーは言う。

「今回はサーキットのことを熟知した状態で臨むことになるから、どういう妥協点に持っていけばマシンのパフォーマンスを最大限に引き出せるか、みんなある程度わかった状態で戦うことになる。だから、いつも以上に僅差の戦いになるだろう。僕たちはディテールに目を向け、それをきちんとまとめ上げる必要がある」

 シュタイアーマルクGPではフェラーリが思いのほか強力なレースペースを見せ、6位・7位でフィニッシュした。ガスリーは、自分が1周目の接触でリタイアしていなかったとしても、彼らと戦うのは難しかっただろうと振り返る。

「シャルル(・ルクレール)が1周目にピットストップしたところから7位まで挽回したように、フェラーリは思っていたよりも速かった。だから、リタイアしなくても相対的に彼らと戦うのは厳しかったと思う。

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