速すぎて、強すぎて、つまらない。レッドブル・ホンダ4連勝にハミルトンも脱帽 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 メルセデスAMGのタイヤにブリスターが発生するなど、彼らのほうが厳しかった。一方、レッドブル・ホンダは速さがあったからこそ、タイヤにも優しくすることができた。

「純粋な速さがあれば、それだけ余裕を持ってタイヤをいたわりながら走ることもできる。このタイヤはスライドしたりロックアップしたことに対して、ものすごくセンシティブですぐにオーバーヒートしてしまうからね」(フェルスタッペン)

 1週間後には再び、この同じレッドブル・リンクでオーストリアGPが行なわれる。当然ながら、レッドブル・ホンダは圧倒的な速さで勝つことが期待され、そうなればチャンピオンシップ争いを大きくリードすることになる。

 しかし、レッドブル・ホンダ陣営に慢心はなく、この速さがどのサーキットでも続くとは考えていない。

「F1マシンには驚くほどセンシティブな箇所がいくつもあって、それがこれ以上ないというくらい完璧になることはない。すべてのサーキットは異なるものだし、今週末だって大差で勝って完璧なレースに見えたかもしれないけど、完璧ということはないんだ。

 だから、あらゆるディテールに目を向けて、さらによくできる箇所を探す。違うサーキットに行けば、また今日みたいになるとは限らない。だから、自分たちがやるべき仕事に集中し続けなければならない。戦いに終わりはないんだ」(フェルスタッペン)

 一方、角田裕毅は「ミスを犯すことなく週末を過ごす」というシュタイアーマルクGPに課されていた課題をクリアした。予選ではQ3に進んで8位に入り、決勝では10位でフィニッシュした。

 予選中のアタック妨害に対する3グリッド降格ペナルティは、レースエンジニアからの情報伝達不足によるところが大きかった。ただ、どんな事情であれ、他車を妨害した場合には3グリッド降格が科される。今のF1はチーム全員の力でクルマを速く走らせ、ドライバーもその中のドライビングという役割を担うチームの一員だ。だから、3グリッド降格のペナルティはチーム全員で負うことになる。

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