角田裕毅に注がれる厳しい目、レッドブル・ホンダも異様な雰囲気。お膝元でのプレッシャーは絶大だ (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 一方、フランスGPを完璧なかたちで制したレッドブル・ホンダ勢には、3連勝の勢いと同時にプレッシャーものしかかっている。

 レッドブルの3連勝は、2013年以来のこと。つまり、チャンピオン争いをしていた頃だ。ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはチーム内の異様な雰囲気を感じ取っている。

「(勝利の)勢いを持っていい雰囲気ではありますが、敵はチャンピオンチームとチャンピオンドライバーですから、そんなに簡単ではないということもわかっています。毎回アップデートを投入していますから、そのデータの見直しをかけて今週末のレースに臨みます。

 自分のミスでレースを台無しにしてしまうかもしれない、というプレッシャーは常にあります。勝ったら勝ったでプレッシャーも上積みになってきますから、全員が異常な緊張感を持って臨んでいます」

 第8戦シュタイアーマルクGPには1万5000人の観客が入り、来週の第9戦オーストリアGPには10万人の観客を動員する予定になっている。オーストリアはチームの母体レッドブルの本拠地であるだけに、レッドブル・リンクはレッドブルとフェルスタッペンの大応援団の熱気に包まれることになる。

 過去にこのコースで2勝を挙げているマックス・フェルスタッペンは、選手権リーダーとして凱旋レースを戦うことになる。

「間違いなくクレイジーな週末になるだろう。ここでは2勝を挙げているし、いつも大勢のオレンジ色のファンに囲まれるんだからクレイジーだよね。レッドブルの地元でもあるし、(2019年に)ホンダとの初優勝を挙げた場所でもある。感情が高ぶるね」

 前戦フランスGPを制したからといって、油断は一切ない。ましてや、今週末は雨絡みの難しいレース週末になるかもしれない。

 ドライがいいか、ウエットがいいか? 今までなら雨の波乱を期待しなければならなかったフェルスタッペンが、今年は言い切った。

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