ホンダF1が30年ぶりに首位。モナコGPで完勝、勝敗を分けたライバルとの差 (3ページ目)
初めてのモナコGPを完走で終えた角田裕毅この記事に関連する写真を見る ホンダにとっては、1992年以来のモナコGP優勝である。
アイルトン・セナが6勝を挙げている特別なモナコで、F1参戦最後の年にどうしても勝利がほしかった。ポールポジションは赤旗に阻まれて逃したものの、決勝ではしっかりとその雪辱を果たした。さらにはトップ6に3台が入るという、これまでで最高の結果を手にした。
フェルスタッペンは4点差でドライバーズ選手権をリードし、レッドブル・ホンダも1点差とはいえコンストラクターズ選手権でメルセデスAMGをリードすることとなった。
これもホンダにとっては1991年以来のことだが、ホンダとしてもチームとしても、この結果に浮かれてはいない。重要なのは、アブダビでシーズンを終えた時に前にいることだからだ。
ホーナー代表は言う。
「モナコGP終了時に両チャンピオンシップをリードしているなんて想像もしていなかった。これは、いかに状況があっという間に変わってしまうかという証でもある。シーズンはまだまだ先が長い。メルセデスAMGが不振のレースで我々が大量得点を獲得することは、非常に大きな意味を持つ。
シーズンの最後まで、この差を維持し続けなければならない。だからこそ、プレッシャーがある。今は目の前のレースを戦い、信頼性を確実なものとし、安定して結果を残し大きな取りこぼしなく戦っていくことが大切だ」
一方で角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)にとっては、初挑戦のモナコGPは厳しいものとなってしまった。
フリー走行2回目でクラッシュを喫し、予選想定の走行ができなかった。そこから少しずつ自信と速さのビルドアップに遅れが生じ、予選でもチームメイトと0.637秒差でQ1敗退となってしまった。
「マシンセットアップがうまく進んでいなくて、キビキビ反応してくれるマシンに仕上がっていないんですが、今週は僕の責任によるところがあったのも事実。FP2の(クラッシュで)走行距離を少し......かなりの周回数を失ったのが最大の問題で、そこで少し自信を失ってしまいました。チームメイトと比べてその点は大きかったと思います」
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