角田裕毅、モナコ初走行。1ミリの差でクラッシュする恐怖に打ち勝てるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 ペレスはザウバー時代からモナコを得意としており、2016年にはフォースインディアで表彰台にも立っている。レッドブルのマシン習熟はまだ進みきっていないが、得意のモナコできっかけを掴んでRB16Bを手なずけることができれば、今後に大いにつながる。

「勝てるマシンで臨む初めてのモナコGP。ここで表彰台に立てば、レッドブルでの初表彰台になる」

 ベレスは自信を見せている。

 一方、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は20人のF1ドライバーの中で唯一、初めてモナコを走る。

 前回のスペインGPではQ1敗退を喫してしまったが、その結果よりも言動で波紋を呼んでしまった。だからモナコGPまでの間はメディア対応もほとんど行なわず、自分と向き合って気持ちをリセットすることに徹してきた。

「バルセロナでは厳しいレース週末になりましたし、あんなレースはもうやりたくありません。とくに予選での無線に関してはすごく後悔していますし、あのようなことを口にすべきではなかったと思っています。

 予選でミスを犯してしまったし、自分のドライビングにも満足していません。でも、それを認めて、学び、次に進むしかないと思っています」

 レッドブルのファクトリーにあるシミュレーターで走り込み、経験不足を補い、連続するコーナーに対応すべく心肺機能を高めてきた。やれるだけのことはやってきた。

 アンダーステア傾向で低速コーナーが苦手なアルファタウリAT02は、モナコで苦労することが予想されている。しかし角田にとって重要なのは、冷静さを保ってドライビングに集中し、サーキットを少しでも深く理解することだ。

「アルファタウリのクルマは低速コーナーでそれほど最高とは言えない状態だと思いますけど、一番重要なのは、僕自身がどれだけこのサーキットに適応できるかだと思います。そのためにも、フリー走行でエンジニアにできるだけ多くのフィードバックをして、マシンをセットアップするために必要な情報を可能な限り伝え、僕自身は自分のドライビングだけに集中できるようにしたいと思っています」

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