角田裕毅の感情爆発はなぜ起きたのか。ルクレールの言葉や王者のメンタリティに学ぶべきこと
思いどおりにドライブできないマシンに対する苛立ちから、最終セクションのドライビングはプッシュしたというより、ただ粗くなってしまっただけのようにも見えた。中団グループは僅差とはいえ、アルファロメオ、ウイリアムズ、ハースの計6台と比べれば余裕はあったのだから、無理にプッシュしなくてもQ2には進出できる場面だった。
その結果、0.007秒届かずのQ1敗退。そして決勝はウイリアムズやハースと戦った直後、わずか7周で燃圧低下によってコース上にマシンが止まり、初のリタイアとなる。
角田裕毅はバルセロナGPで初のリタイアを喫すこの記事に関連する写真を見る そもそもAT02のマシン特性として、自分好みのオーバーステア傾向のマシンに仕上げることはできない。ただその事実は、開幕前テストの段階から指摘しながらもうまく対処してきたはずだった。
しかし、アルファタウリの相対的ポジションが下がることで、ポルトガルGP、スペインGPは厳しい結果となり、マシン特性に対して抱えてきた角田のフラストレーションや違和感が爆発してしまった。
「今週はフリー走行からすごくフラストレーションが溜まりました。昨日の予選は僕のミスでしたけど、今日は完全に自分にはどうすることもできないトラブルだったので、ここから立ち直るには自分がやるべき仕事に集中するしかないと思います」
いずれにせよ、マシンに対する違和感や不信感を持ったままでは、角田も本来のポテンシャルを出し切れない。
疑いの気持ちがあるのなら、イモラの予選でクラッシュしたあとも使い続けている6号車モノコックを交換してみてもいいだろう。そして角田も、うまくいかない理由を他者に求めるのではなく、まずは自身の中に足りない部分がなかったのか向き合う必要がある。
「うまくいったことはチームのおかげ、うまくいかないことは自分に改善すべき点があるから。僕はずっとそういうメンタリティでやってきた。そうでなければ、ドライバーとして成長し続けることはできない」
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