角田裕毅、初めてF1の壁に直面。うぬぼれていたことに気がついた (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY, Yoneya Mineoki

 徹底的に走り込んだバーレーンやイモラではそれができたが、初走行のポルティマオではできなかった。それがポルトガルGPの低迷につながったのだ。

「F2の時にもそうでしたけど、マシンを自由自在に操れるようになれば、アンダーステアのマシンでも曲げられるようになります。そのあたりがまだ(アルファタウリでは)使い切れていない。だから(マシンを変える前に)自分のドライビングからまず見詰め直したいと思っています。

 クルマ自体の調子が悪いわけではないですし、ポルトガルがちょっと悪かっただけで、今回はまたバーレーンやイモラのようなペースに戻れるとチームも期待しています。クルマのパフォーマンスを維持しながら、まずは自分のドライビングをF1に慣らしていきたい」

 バーレーンやイモラとはワンステップ違った、より繊細な挙動の把握とコントロール。FIA F3とFIA F2でかなり走り込んでいるバルセロナは、それを学び直すのに打ってつけの場所となる。

 直面したF1での最初の壁を、角田はいかに乗り越えて行くのか。苦戦を強いられるのか、それとも容易く乗り越えるのか、ある意味で彼の今後を占うレース週末になるのかもしれない。

今季からFIA F3に参戦する19歳の岩佐歩夢今季からFIA F3に参戦する19歳の岩佐歩夢この記事に関連する写真を見る その週末のバルセロナでは、F1のサポートレースとしてFIA F3が開幕する。注目は、今季からこのカテゴリーに参戦する岩佐歩夢(いわさ・あゆむ)だ。

 昨年フランスF4でチャンピオンを獲得し、レッドブルジュニア入りを果たしての昇格。すでに2回の開幕前テストをこなし、最終日には2位のタイムを記録した。角田と同等かそれ以上に落ち着き払った様子で、自分を冷静に判断しているのが印象的な19歳だ。

「バルセロナテストの結果は、正直言って2日目はそこそこだったものの、それまではまったく上位に食い込めませんでした。でも、その結果に対する焦りは大きくなくて、内容的にはいいデータや得るものがすごくあったので、それを開幕戦に向けて徐々に詰めていった結果がバルセロナ2日目の2位だったかなと思います」

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