角田裕毅は「弱さ」を認めて強くなる。同じ過ちは、もう犯さない (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 しかし、角田は冷静になってその過ちを見詰め直し、自分の弱さを認めた。だからこそ強くなれる。ポルトガルGPでは同じ過ちを犯すことはないだろう。

「自分の弱いところがすべて出たようなレース週末だったので、もちろん結果としてはとても悪かったし悔しかったです。けど、今後を考えてポジティブに考えれば、自分のミスを見詰め直してどこが悪いのかを考えるいい機会になった。今までの自分の甘さや姿勢を見つめ直す機会になったと思うので、いい週末になったと思います」

 ポルトガルGPの舞台アルガルベ・サーキットはヨーロッパの西端に位置し、下位カテゴリーでもほとんどレースイベントの開催がない場所だ。コロナ禍を受けて昨年初めてF1が開催され、今シーズンもカレンダーに加わった。それゆえに、角田もアルガルベを走るのはこれが初めてとなる。

 それだけに、一歩ずつドライビングやセットアップを積み上げていくことが必要だということは、角田自身もはっきりと認識している。

 しかしだからといって、攻めの姿勢を守りに変えるわけではない。イモラの週末に学んだことを生かし、攻めるべき瞬間を見極めて攻めるだけだ。

「僕にとっては新しいサーキットなので、今までのバーレーンやイモラとは置かれた状況がまったく違う。なので、フリー走行から一歩一歩、少しずつビルドアップしながら予選までにまとめ上げたいと思っています。

 イモラと同じような速さがあるのなら無理をする必要はないし、アグレッシブに行かなければならないところは行く。その姿勢は保ちつつ、攻めるべき状況を見極めて攻めていきたいと思っています」

 一方、レッドブル・ホンダはイモラで今季初勝利を収め、結果でもタイトル争いができることを証明してみせた。

 アルガルベは、これまでの2戦とはまた異なるサーキット特性であり、同じような勢力図になるとは限らない。昨年は再舗装されたばかりのアスファルトから油が染み出し、路面のグリップレベルが極めて低い状態での走行となった。

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