山﨑武司、清水宏保も。モータースポーツに挑戦する世界の一流アスリート

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • photo by Toyota, Nissan

2019年、「GAZOO Racing 86/BRZ Race」で3位表彰台を獲得した山﨑武司(右)2019年、「GAZOO Racing 86/BRZ Race」で3位表彰台を獲得した山﨑武司(右) 1976年のF1イギリスGPに史上3人目の女性ドライバーとして参戦したディビナ・ガリカ。78年にもF1で2レースにエントリーした彼女は、実はアルペンスキーの選手としてすでに大きな名声を得ていた。64年にオーストリア・インスブルックから3大会連続でオリンピックに出場。そんなガリカのように、現在のモータースポーツ界にも別のスポーツで名声を得た選手たちが活動している。

 プロ野球の中日ドラゴンズや東北楽天イーグルスで活躍し、セ・パ両リーグで本塁打王に輝いた山﨑武司は、現役時代からフェラーリやランボルギーニを所有するクルマ好きとして知られていた。2013年に現役を退くと、知人からの勧めもあって、15年から市販車のトヨタ86とスバルBRZを使用したワンメイクレース「GAZOO Racing 86/BRZ Race」のクラブマンシリーズに参戦している。

 山﨑のドライビングはプロのドライバーからも「追い抜きがうまい」と高い評価を得ている。本人は体重が100キロほどあるために予選でスピードを出すのは苦手にしているというが、長い距離を走る決勝には自信を持っているようだ。

 野球選手として培った体力に自信を持つ山﨑は、マシンの中で汗をかいていても、冷静にドライビングができることを自身の「強み」だと語っている。夏場のレースを得意とし、実際に毎夏、北海道の十勝スピードウェイで開催されるイベントでは19、20年と2年連続で3位表彰台を獲得しているのだ。

「GAZOO Racing 86/BRZ Race」には、スピードスケート500mの五輪金メダリスト、清水宏保も参戦している。1998年の長野五輪で金メダル1個、銅メダル1個、2002年のアメリカ・ソルトレークシティ五輪で銀メダルを獲得した清水は、国内外の数々のスポーツカーを乗り継いできたという。

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