MotoGP次代を担う超逸材がポールポジション獲得。時代は動きつつある

  • 西村 章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

第2戦ドーハGPの表彰台第2戦ドーハGPの表彰台 フロントロー3番グリッドスタートのヴィニャーレスも、序盤は11番手まで下がってしまったが、落ち着いた走りで位置取りを上げてゆき、最後は5位でゴール。クアルタラロは「去年に感じることのできなかったフロント周りの信頼感があって、限界を察知しやすくなっている。だから、自信を持って(ブレーキングでの)勝負をできる」と話し、ヴィニャーレスも「最後まで安定したペースで走れた。今回は5位で終われたことが重要」と、マシンの改善や冷静なレース戦略をうかがわせるコメントをしている。

 そして、この第2戦ドーハGPで強烈な印象を残したのが、ルーキーのホルヘ・マルティン(Pramac Racing/Ducati)だ。

 マルティンは、スペイン・マドリー出身の23歳。15年にMoto3クラスへの参戦を開始し、18年に同クラスのチャンピオンを獲得。19年と20年はMoto2クラスを戦い、今年から最高峰へ昇格してきた。1週間前の開幕戦カタールGPはポイント圏内の15位でゴール。その6日後の翌週土曜日、第2戦予選ではポールポジションを獲得した。

 ポールポジション獲得後にピットレーンへ戻ってきたときは、Moto3やMoto2時代に所属していたチームの関係者たちが総出で出迎えて、マルティンの最高峰2戦目のトップグリッド獲得を祝福した。

 予選後のフロントロー記者会見では、「最高峰2戦目でポールを獲れるとは思わなかった。明日の決勝では学ぶことが目標。レースはマーヴェリックやファビオ、(チームメイトの)ヨハン(・ザルコ)、(スズキ勢の)リンス、ミルたちが強いだろうから、彼らからたくさんのことを学ぶために、頑張ってついていきたい」と謙虚に話した。

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