角田裕毅「今まで経験したことがない」。テスト走行2番手で驚愕したこと (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 もちろん、メルセデスAMGもこのままでは終わらないはずだ。

 テストではリアのナーバスさに苦しんでいたが、空力が完全に想定外の挙動を示した昨年のレッドブルとは違い、コーナーエイペックスからリアが抜けるなどの動きは追い風の影響だと考えられる。セットアップでの対処が可能ならば、開幕戦までにデータ分析によって改善してくるだろうし、空力パーツの修正が必要だとしても、メルセデスAMGならばアップデートまでにそう時間はかからないだろう。

 また、マシンの限界付近で走行しないロングランでは非常に速いペースを刻んでおり、彼らがトップレベルにあることは間違いない。やはり今年もレッドブルとメルセデスAMGの2強によるトップ争いになるのは変わらないだろう。

 つまり、角田がテストで2番手タイムを記録したからといって、アルファタウリがいきなりトップ争いに加わることはない、ということだ。むしろ問題は、大混戦の中団グループのなかでどう戦うかだろう。

 3日間という短いセッション時間に対応するため、今年は57周連続走行のフルレースシミュレーションを行なうチームは少なかった。予選アタックに躍起になるでもなく、それぞれが独自のプログラムを淡々とこなしているのが印象的だった。

 フルレースシミュレーションを行なった(=燃料搭載量が同じ)なかでは、角田のペースはフェラーリよりもやや遅く、アルファロメオと同等レベルだった。それがアルファタウリにとって現実的なポジションになるだろう。

 それでも安定したペースを刻んだのは、ルーキーとしては十分に高く評価されるべきこと。1度スピンを喫して予定より早めのタイヤ交換は強いられたものの、そこからしっかりと最後まで走り切ったのも見事だった。タイヤマネジメントについても、やや保たせすぎた感のある第2スティントに対して、第3スティントではしっかりとタイヤを使い切る走りへと修正ができていた。

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