ジャン・アレジとゴクミの息子、ジュリアーノが来日。母の助言の内容は? (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • photo by Yoshita Tomohiro, Yoshida Shigenobu

 でも、日本のモータースポーツはすごくピュアだ。政治的なことが少ないし、純粋にレースに集中できる。今年はこうしてTOM'Sからすばらしいチャンスをもらえたことに感謝している。スーパーフォーミュラ・ライツで自分の新たなレースキャリアを築いていきたい。

 ヨーロッパのレースと日本のレースでは、いろんな点ですごく違うと感じている。スーパーGTでは複数のタイヤメーカーが参入して激しく争うなど、さまざまな競争があるだろう。そこにすごく興味がある。この機会にいろいろ勉強をしたいと思っているので、早くシーズンを始めたい」

 ジュリアーノにとって、日本は第二の母国だという。ただ、しっかりと腰を据えて日本で暮らした経験はない。それだけに、今年の日本での挑戦はレース以外にも楽しみにしていることがあるという。

6年前に父ジャンと並んで姿を見せた息子ジュリアーノ6年前に父ジャンと並んで姿を見せた息子ジュリアーノ「日本でレースができることだけでなく、日本に住むことができるのが、すごくうれしい。僕は生まれてから日本に住む機会がなく、ヨーロッパにいる頃も各国を飛び回って忙しかったから。

 こうして日本で暮らせるので、まずは日本語を上達させたい。(日本語は)母と会話する程度で、いつも日本語を話しているわけではないからね。勉強するには絶好の機会だし、僕の第二の母国についてよく知るきっかけにもなる。それはものすごく重要なことだよ」

 今回の日本でのレース挑戦を、ジュリアーノの両親も応援してくれている。父のジャン、そして母の後藤久美子さんからは、こんなアドバイスがあったという。

「父は今回の決定について、すごく喜んでいた。それと同時に、いろんなことに対してハングリーになって、積極的に勉強をしていきなさいと言ってくれた。ヨーロッパと異なる新しいことを、日本では学ばなければいけない。すべてにおいて"勉強"だから、そこにありったけの時間を割くべきだと。

 もちろん、母も喜んでいるよ。この経験で僕の日本語も上達するだろうと期待してくれている。母がくれたアドバイスはひとつ。『"見て、学ぶ"。これに時間をかけて、じっくりとやりなさい』だった。自分から質問をするのもいいけど、その前に自分で見て理解できることもあるから、まずはそこを努力してほしいと。その経験があなたをもっと強くするはずだ、と話してくれた」

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