ジャン・アレジとゴクミの息子、ジュリアーノが来日。母の助言の内容は?

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • photo by Yoshita Tomohiro, Yoshida Shigenobu

 いよいよ開幕が迫ってきた2021年の日本モータースポーツ界。そこに大注目の若手ドライバーがヨーロッパから日本に舞台を移し、新たなステージに挑戦しようとしている。

 ジュリアーノ・アレジ、21歳。

 父は元F1ドライバーのジャン・アレジ氏。母はモデルや女優として大活躍し、"ゴクミ"の愛称で親しまれている後藤久美子さんだ。

今季日本のレースに参戦するジュリアーノ・アレジ今季日本のレースに参戦するジュリアーノ・アレジ ジュリアーノが初めて日本のメディアに登場したのは、今から6年前の2015年3月。鈴鹿サーキットで行なわれたモータースポーツファン感謝デーで父とともに登場し、各メディアがスポーツの枠を越えて芸能ニュースでも取り上げたほどだった。

 モータースポーツ界で「ジャン・アレジの息子」という肩書きは大きく、早くから有望株のひとりとして注目を集めた。2016年にはフェラーリの若手ドライバー育成プログラム「フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)」にも選出。同期には現在F1で活躍中のシャルル・ルクレール(23歳/フェラーリ)もいた。

 その後、F1直下のシリーズであるGP3(現FIA F3)やFIA F2に挑戦する。だが、思うような結果を残すことができなかった。ジュリアーノは4年間在籍したFDAを離れる決断を下し、今年は日本のスーパーフォーミュラ・ライツに名門TOM'Sチームから参戦することになった。

 母が日本人ということもあり、ジュリアーノは日本語での簡単な会話も可能だ。インタビューでは終始英語でのやりとりだったが、その取材の冒頭では「難しいね。日本語、あまりよくしゃべらないから」と流暢な日本語を披露してくれて、場の雰囲気を和ませてくれた。

 F1を目指してヨーロッパで戦い続けていたジュリアーノが、今年からまったく異なるフィールドの日本にやってきた。その理由はなんなのか? まずはその質問からぶつけてみた。

「ヨーロッパのレースは、政治的な部分に左右されやすくなり始めた。たとえばFIA F2だと、チャンピオン争いをするためには3つのトップチームのいずれかに在籍する必要がある。だが、そこに入るには結局のところ、お金や政治の話がついてまわる。

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