2輪ロードレースで世界王座を狙う中上貴晶「ホンダの期待に応える」 (4ページ目)

  • 西村 章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

ーーテストの前には、今シーズンに向けて具体的な数字としての目標設定はしていないと言っていましたが、開幕戦はどんな戦い方をしていく腹づもりですか?

「今のところ、シーズンで何勝したいとか表彰台に何回上がりたいというような数字は、自分では設定していません。数日前にテストが終わったばかりということもあるし、車体についてはまだ迷っている部分もありますが、ポテンシャルがあることは確実にわかっているので、自分のなかでは、開幕2連戦で優勝をターゲットにしてトップ争いを視野に入れています。テストでは上位に顔を出せなかったものの、下準備としてのデータを収集できたので、データを活かしてチームやHRCの人たちと開幕までにしっかり話を詰めて備えます。

 あとはさっきも言ったとおり、ファクトリーマシンを手に入れた以上はそれに見合った結果を当然ながら求められるので、その期待に応えなきゃいけない、という気持ちが大きいですね。だから、今まで以上に自分に対してもっと厳しくなりました。昨年までは、ミスができた年でした。挑戦をして勉強していてもいい年だったのだと思いますが、今年からは、自分がこの3年で経験してきたことを、結果として数字として残していかなければならない。だから、もう失敗できないしミスもできない、と考え方が変わりましたね」

ーー開幕戦と第2戦はカタールで2週連続開催です。この2連戦でいい結果を残すことは、シーズン全体の流れに弾みをつける意味でも重要ですね。

「カタールはナイトレースなので、ここだけで判断するのは難しい面もありますが、2連戦だし、勢いをつけるという意味でも重要なので、取りこぼしのないようにできるかぎりたくさんのポイントを獲得するつもりです。ここで幸先の良いスタートを切って、チャンピオンシップを有利に戦っていきたいですね」

【profile】 
中上 貴晶 なかがみ・たかあき 
1992年、千葉県生まれ。4歳でポケバイに乗り始め、12歳からロードレースに参戦。2006年には全日本ロードレース選手権GP125クラスを全戦全勝でチャンピオン獲得。08年に世界選手権125ccクラスにフル参戦し、Moto2クラスなどを経て18年から最高峰クラスで戦っている。

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