2輪ロードレースで世界王座を狙う中上貴晶「ホンダの期待に応える」 (2ページ目)

  • 西村 章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

4年目のシーズンを迎え、これまでにない重圧を感じているという4年目のシーズンを迎え、これまでにない重圧を感じているというーーテストでは、中上選手が昨年使用していた車体と21年の最新スペックの比較検討に集中していたそうですが。

「それぞれ長短があって、こっちのほうが絶対にいい、とはまだ言いきれないところがあるんですよ。ただ、開幕戦では2台の比較を続けるよりも、どちらかに絞り込んで集中したほうがいいので、そこをどうするか、レースウィークに向けてチーフメカニックと話をしているところです。

 自分としては、21年のバイクでいったほうがいいのかなと思っています。21年の車体はハンドリングや旋回性が良くなっている印象ですが、コーナーの立ち上がりではまだ詰めなければならない部分が残っています。ハンドリングだけなら21年型、立ち上がりやリアの動きは昨年型のほうが好みだったので、そこがまだ迷っているところですね。それでも21年型車体のポテンシャルを信じてレースに挑んだほうが良いのかな、というのが今の考えです」

ーー去年は、表彰台に手が届きそうなレースが何度もありました。今年はファクトリースペックで走るので、目標設定もおのずと高くなっているのではありませんか?

「ずっと希望してきた最新型マシンをようやく手に入れるところまでたどり着けた、という思いもあるのですが、それに見合った結果が求められる、ということでもあります。このマシンを与えてくれたホンダに対しても、結果で応えなければならないプレッシャーを感じています。実際に、先日のテスト期間中もピットボックスでコメントを収集するHRCのエンジニアの数が昨年までとは違っていました。電子制御や車体、エンジンなど、各分野の専門技術者の方々に対して、それぞれの分野についてのコメントを的確に評価していく環境です」

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