F1昇格。角田裕毅が日本人ドライバー歴代最高の逸材である理由 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 中堅のアルファタウリからのデビューだが、チームもこの2年間で技術体制の改革が進み、大きく成長した。2020年の戦いぶりを見ても、以前のように大外しするレース週末はなくなった。

 そして角田は、押しも押されもしないトップチームであるレッドブルのファシリティに接することができる環境に身を置き、F1で勝てるチームのシートも目の前にある。これまでの日本人ドライバーのなかで、間違いなく最も恵まれた才能と恵まれた環境でF1デビューを果たすことになる。

「もちろん表彰台とか優勝できればいいですけど、そこに到達するためには速さも必要だし、クルマに順応することも必要です。だから最初はそういうことは考えずに、自分の走りをしてひとつずつクルマやチームのことを理解していきます」

 シーズン前半は攻めの走りで限界を探り、おそらくミスもするだろう。結果にもつながらないかもしれない。しかし、随所に光る走りも見せるはずだ。そしてシーズン後半には、それまでに学んだことをしっかりと結果に結びつける。

 そしてそれが2022年以降のさらなる飛躍につながる。日本のファンが長年夢見てきたストーリーが、その先にある。角田が2021年にF1でどんな走りを見せてくれるのか、そして2022年以降へどんな夢を見せてくれるのか、楽しみだ。

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