レッドブル・ホンダの速さは本物。最終戦でメルセデスAMGに追いつく (2ページ目)
タイヤを労わりながら、同時に後続とのギャップも広げていく。そんな走りをフェルスタッペンは巧みに重ねていった。
「かなりの周回数を走らなければならなかったから、後ろの2台を見ながら少しずつギャップを作ろうとしていて、10周くらいはずっとセーフティマージンを築くべくプッシュしたよ。突然タイヤがタレたり、何かが起きたときのことを考えてね。
このサーキットはタイヤに厳しいし、とくに最終セクターがタフだから、全開で走るわけにはいかない。でも、後ろのメルセデスAMG勢もペースを落としてきたから、僕も少しペースを抑えて走ることができたんだ」(フェルスタッペン)
メルセデスAMGはここ数戦、カスタマーチームのMGU-K(※)にトラブルが散発していた。その原因が究明できていないだけに、MGU-Kから放出するERS(エネルギー回生システム)の120kWの出力を、やや抑えて走らなければならなかったのだ。
※MGU-K=Motor Generator Unit-Kineticの略。運動エネルギーを回生する装置。
しかし、その影響はラップタイムにして0.1秒にも満たないほどだったという。メルセデスAMGが苦しんでいたのは、パワーよりもむしろ、低速コーナーでの回頭性だった。
フェルスタッペンとレッドブル・ホンダの速さは本物だった。2位バルテリ・ボッタスとのギャップは毎ラップのように広がっていき、メルセデスAMGのピットからプッシュの指示が出ても、ボッタスはそのギャップを縮めていくことができなかった。
最終的に15秒もの大差をつけ、フェルスタッペンはメルセデスAMG勢を寄せつけることなく、完璧な勝利を収めた。
「正直言って、ここに来るまでは勝てるなんて想像していなかったし、ポールが獲れるとも思っていなかった。彼らがエンジンを少し抑えて使わなければならなかったという記事もチラッと読んだけど、それを差し引いても僕らのパフォーマンスはかなり強力だったし、予想以上だった。タイヤを労わりながら走ったけどマシンバランスはよかったし、本当に楽しかった」
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