ホンダF1、シーズン最終戦は最後のチャンス。来季につなげられるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 今年はパワーユニットの開発が凍結され、あとは現場の"使い方"でどうにか工夫し、少しでもメルセデスAMGとの差を縮めるべく努力するしかなかった。さらに予選・決勝でICEの燃焼モードを変更できないルールがシーズン途中から導入されたため、現場の負担はさらに大きくなった。

 そして、突然のF1撤退の報せ。

 彼らがそんな苦境のなかでも最後までモチベーションを保ち続けたのは、やはりホンダとしてF1という世界の頂点で戦うことの意味を知っているからだ。

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「我々は何のためにF1に挑戦しているのか? その最前線に立つ自分は何をしなければならないのか? それを理解したメンバーがこの現場に来ていますから、苦しいのはもちろん苦しいですが、みんな弱音を吐かずに戦っています。

 家族と会えない、妻や子どもたちと会えない......非常につらい思いをしてもらっています。とにかく『ありがとう』という言葉しかない。ただ、最後のレースでやっと帰れると浮き足だってはいけませんから、『最後はガッチリ行こうぜ』という話もしています」

 苦しいシーズンの最後をしっかりと戦い、2021年の飛躍に向けて最大限に利用する。最終戦アブダビGPは、目の前の結果だけでなく、来季の逆襲につながる大事なレースとなる。

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