レッドブル・ホンダ、最速マシンでも勝てず。敗因は不運だけじゃない (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

「スタートはよかったんだけど、前を押さえ込まれて行き場を失ってしまったから、僕はできるだけ問題に巻き込まれないようにしようとした。だけど、周りのみんなはすごくアグレッシブで、リスクを冒した走りをしていた。まるで最終ラップかのようなリスクの冒し方だったよ。

 今日はいいレースができるマシンに仕上がっていたはずだし、チャンスもあった。それだけにこんなに早くレースが終わってしまって、とてもフラストレーションが溜まる」(フェルスタッペン)

 たしかに、そこまでは不運の連続だった。だが、舗装のランオフエリアの先にはグラベルがあり、速度を維持したままそこに突っ込んでコントロールを失ったのは不用意だった。

 この接触で最後尾まで落ちたペレスが実質的な1ストップ作戦で追い上げて劇的な初優勝を飾っているだけに、無難にコース復帰を果たしていれば、レーシングポイントよりも速さのあるレッドブルをドライブするフェルスタッペンが勝利を収めていた可能性は高かったと言える。クリスチャン・ホーナー代表も「今日は間違いなく優勝争いができたはず。それだけに本当に残念だ」と振り返った。

 アレクサンダー・アルボンは1周目の混乱を切り抜けたものの、その後のペースが振るわず中団グループの中から抜け出せなかった。

 しかし、レース前半はペレスの前を走り、21周目に抜かれたあともその背後を走り続け、55周目までペレスの後ろにいた。

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 だが、最終的に表彰台に立ったランス・ストロールやエステバン・オコンをペレス同様に抜くことはできず、62周目にセーフティカーが導入されたところでピットインしてソフトタイヤに履き替え、6位から10位へ後退。ソフトタイヤでの猛追を期待されたが、6位までしか挽回できなかった。ジョージ・ラッセルのパンク以外は3台を抜いただけで、実際にはこのピットストップも失敗だったことになる。

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