ホンダは歓喜、トヨタは悪夢。スーパーGT、最終戦の大どんでん返し

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 チェッカーフラッグを切った山本は、コックピットの中で何度もガッツポーズを繰り返した。

「最後まであきらめなくて本当によかったです。(後半スティントでは)タイヤや燃費をセーブして、チームと無線で随時報告し合いながら、ペースアップするタイミングを常に図っていました。僕はGTに参戦して11年目ですが、今日ほど自分が思い描いたとおりの展開になって、これまでの経験がすべて活きたレースはありません」(山本)

 新型コロナウイルスの影響で開催サーキットを大幅に変更し、万全の感染防止対策を施して7月に開幕した2020シーズン。今年はGT500クラスに参戦する3メーカーすべてが新型マシンを導入し、デビューイヤーチャンピオンの座をかけて熱いバトルが繰り広げられてきた。

 その結果、全8戦で決勝レース合計2400キロの距離を走り、最後はわずか500メートルたらずで年間王者が決まるという歴史的な大激戦となった。"勝利の喜び"と"敗北の悔しさ"は紙一重であることを、あらためて痛感させられた2020シーズンだった。

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