レッドブル・ホンダ、2・3位でも戦略ミス。フェルスタッペンはチームを批判

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 レッドブルにとって、2017年日本GP以来のダブル表彰台。バーレーンでの表彰台は2013年以来、実に7年ぶり。マックス・フェルスタッペンが2位、アレクサンダー・アルボンが3位で表彰台に登壇した。

 だが、レッドブルにとってバーレーンGPが好結果に終わったかというと、必ずしもそうではない。レースを終えたばかりのフェルスタッペンの表情が、それを物語っていた。

表彰台に立つフェルスタッペン(左)とアルボン(右)表彰台に立つフェルスタッペン(左)とアルボン(右)「2位というのは悪い結果ではないけど、その過程はあまり満足のできるものではなかったと思う。僕はもっとアグレッシブにいきたかった。たとえそれで失敗したとしても、僕らには失うものなんてなかったんだからね。どうしてこんなにコンサバティブなレースをしてしまったのか、理解できないよ」

 レース戦略について、フェルスタッペンは公然とチームを批判する言葉を並べた。

 それは、バーレーンではRB16のフィーリングが決して悪くはなく、メルセデスAMGと戦えるチャンスがわずかながらあったからだ。

 しかし、それはアグレッシブな戦略を採れば......の話であり、実際にレッドブルの戦略はそうとは言えなかった。

 レースはスタート直後、ロマン・グロージャン(ハース)の大クラッシュで81分間にわたって赤旗中断となった。グロージャンのマシンは240km/hの速度でガードレールに衝突し、3段のうち中段のガードレールをノーズが突き破り、マシン後半部分はエンジンマウントから引きちぎれて止まった。

 その内部にある燃料タンクから漏れ出たと思われる燃料に引火し、大きな炎が上がった。だが、サバイバルセル(生存空間)と呼ばれるモノコックは原形をとどめていた。

 なにより2018年から導入されたHALOがガードレールからグロージャンの頭部を守った功績は大きい。グロージャンは自力でマシンから脱出し、手の甲に軽症の火傷を負うだけで済んだ。

 2017年以前なら考えられなかったことだ。たゆまぬF1の安全対策への努力の成果であり、こうした事故を経て、さらにこれからも安全性の向上は続けられていくことになる。

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