スーパーGT王座争い大接戦。
ホンダ、トヨタ、日産、横一線で最終戦へ

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「F1撤退という少し暗いニュースもあったなか、ホンダの八郷隆弘社長も観に来て、いい結果を見せられたことで、国内のファンも喜んでくれたと思います」(64号車・伊沢)

「チェッカー後(クールダウンで)1周まわってくる間、観客の数は制限されているはずなのに、不思議と今までにないくらいホンダの旗を振ってくれている人が多かった。『すごく喜んでくれたのかな』と思うと......またがんばろうという気持ちになりました」(100号車・山本)

「ホンダの力を、このホームコースで見せることができた。トップ5独占に貢献できたのは、ホンダファミリーとしては本当にうれしいことですね」(16号車・武藤)

 今シーズン開幕戦、ホンダは速さを示すことができず、トヨタにトップ5独占を許してしまった。しかし、ホンダNSX-GTは徐々に実力を開花させ、ついには年間チャンピオまであと一歩と迫っている。

 シーズン後半の追い上げについて、ホンダのスーパーGTを指揮する佐伯昌浩プロジェクトリーダーはこう語る。

「開幕戦の時点でNSX-GTは未成熟のままスタートしました。ただ、伸び代はあると思っていましたし、それが(後半戦になって)伸びてきたのだと捉えています。実際に2回目の鈴鹿(第6戦)あたりから(セッティングの方向性が)見えてきた感じです。

 この第7戦で17号車と100号車に何かトラブルがあれば、チャンピオン争いから外れることになるので不安もありました。でも、結果的にはそれがまったく逆の方向でいって、8号車も含めて3台がほぼ点差なく最終戦にチャンピオンをかけて戦えます。いい結果で終われて本当によかった」

◆「レースクイーンのオフ、何してるの?」はこちら>>>

 ホンダ勢がトップ5独占で歓喜する一方、他陣営のピットに目を向けると、重苦しい雰囲気に包まれていた。とくに、シーズン序盤で調子のよかったトヨタ勢の険しい表情が印象的だった。

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