ホンダF1、最後の挑戦。
メルセデスAMGのひとり勝ちはもう許さない

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

メルセデスAMGは今季11勝目をマークメルセデスAMGは今季11勝目をマーク レッドブルがノーポイントに終わったことで、5戦を残してメルセデスAMGがコンストラクターズタイトルの獲得を決めた。2014年から数えて7年連続の制覇であり、フェラーリ黄金期の記録を上回る史上最多連続記録。つまり、マクラーレンやウイリアムズ、フェラーリ、レッドブルなど、どの時代の覇者よりも強く長い覇者であり続けてきたということだ。

 この事実に対して、ひとり勝ちで退屈だという意見は的外れだ。ライバルとして戦っているからこそ、彼らのすごさは誰よりもよくわかると、田辺テクニカルディレクターは語る。

「実際に戦っている我々は『みんないつかは抜いてやろう』と思って知恵を絞り、必死に努力して開発しているんです。そういう戦いがここでは繰り広げられています。そのなかでこれだけ長い期間、何の緩みもなく、勝ち星を落とすことなく、勝ち続けるということは並大抵のことではないと思います。

 メルセデスAMGばかりが勝ってつまらないという方もいらっしゃいますが、彼らだってたくさん努力をして、もがいてこの座を守ってきている。我々挑戦する側は、それ以上に身を粉にして開発しなければ追いつけません。来年は我々もそこに戦いを挑んでいけるよう、準備していきたいと思います」

 レッドブル・ホンダが来季、最後の挑戦として目指す山は高い。しかし、彼らはその高さを知っている。だからこそ真摯に、そして懸命に戦いを挑んでいくのだ。

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