日本一速い女・小山美姫。レッドブルの重鎮からの電話で海外参戦を決意 (2ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto) 磯貝琢哉●動画 video by Isogai Takuya

ーー結局、シリーズは中止となったものの、レットブルのサポートが決まっていたのはすごいことだと思います。 

小山
 ある日突然、ヘルムート・マルコさん(レッドブルのモータースポーツアドバイザー)から電話がかかってきました。Wシリーズに関わるチームや元F1ドライバーの方などが、私のことを話してくれていたようです。

 Wシリーズ初年度は結果を残せませんでしたが、総合的な評価は良かったみたいです。オーディションに合格したドライバーの約半数は、F3マシンに乗ったことある経験者でした。私がオーディションに参加した時点では、(F3の下位となる)F4マシンにしか乗ったことがありませんでした。

 すべてのサーキットが初めてというハンデがある中で、決勝で追い上げを見せたり、最速ラップを出したりしたことで、ポテンシャルを評価してくれたようでした。今年はレッドブルのアスリートとして、シミュレーターやトレーニングなどのサポートを受けています。 

常に自分と厳しく向き合う小山常に自分と厳しく向き合う小山ーー昨年のWシリーズは年間7位、日本でシーズン後半から参戦したFIA-F4選手権はシリーズ17位に終わりました。勝てなかった原因をどう自己分析していますか?

小山
 今振り返ると、日本とヨーロッパを行ったり来たりしながら、毎週レースが続いてしまったのが一番厳しかったです。飛行機の中で寝てレースに出場するということが数カ月続き、時差ボケもあったと思いますし、F4とF3のクルマに対しての切り替えも追いつかなかった。レースの準備をしっかり整えられず、「二兎を追う者は一兎をも得ず」という結果に終わってしまいました。それで、レッドブルと話し合い、今年はイギリスに住んで一本に専念するつもりだったのです。 

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