美人レーシングドライバー小山美姫はストイック。F1という夢に向かう (3ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto) 磯貝琢哉●動画 video by Isogai Takuya

ーーWシリーズに話を戻すと、2021年はイベント数も増え、F1のサポートレースとしての開催が検討されているようです。実現すればWシリーズの注目度はますます上がります。F1関係者の見ているところで結果を出せれば、チャンスは広がりますね。

小山
 そうなればうれしいですね。でも、今年レースが中止になったことは痛手です。フォーミュラの世界で上を目指す者にとっては、1歳年を重ねることはすごく大きな意味があります。世間的には23歳という年齢は若いですが、レッドブルの育成プログラム、ジュニアチームに所属しているドライバーはほとんどが10代です。フォーミュラの世界で勝負するには、年齢や時間との戦いもあるんです。

 ただコロナ禍によって時間ができたことで、英語のスキルや体力面の向上もすごく感じています。気持ちもリフレッシュされて、しっかりと準備して来年のシーズンに臨むことができます。21年が終わったときには、この時期があって良かったと思えるようにしなければならないと思っています。 

 このまま終わってしまうと、私自身、すごく後悔すると思いますし、日本人ドライバーはダメだという印象を残してしまう。ナメられますから、絶対に勝たないといけないんです。

ーー気合いが入っていますね。

小山
 気持ちでは絶対に負けたくないです。Wシリーズは、ドライバーの合同トレーニングがありますが、どんなプログラムでも絶対に最後まで諦めません。やっぱり一緒に戦う相手に何事も弱いイメージは与えてはいけないんです。予選で順位が悪かったとしても諦めずにレースでは意地でも抜く。どんなに悪くても粘って、粘って、粘って、粘って最後まで絶対に勝負を捨てない。そういう姿勢が大事だと思っています。

 ただ気合いだけではどうにもならないので、もっと成績を良くするためにコミュニケーションはすごく大事な要素です。走行中に無線でエンジニアとしゃべるのですが、前とのギャップやマシンの状況など、もっとコミュニケーションがスムーズに取れれば、勝ちにつながっていくと思っています。

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