2020.10.26

スズキかヤマハかホンダか?MotoGPチャンピオン争いがさらにカオスに

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

 この優勝で25ポイントを加算したことにより、チャンピオン争いでも首位から25ポイント差のランキング4番手に浮上した。フロントローを獲得した土曜の段階では「ランキング2位でタイトル争い有力候補のチームメイト、ファビオ・クアルタラロがチャンピオンを獲得するためのアシストをするのか」と、チームオーダー発動の可能性を探る質問を投げかけられていたのに、一夜明けると自分自身がチャンピオン争いの渦中に飛び込んできた格好だ。

「(ランキング首位の選手から)25ポイント差に追いついたので、最後の3レースは今日と同じくらいにアグレッシブに攻めていきたい。(チャンピオンの帰趨は)自分たちの対応次第で決まるわけではなくてその他の要因も大きいけれども、とにかくフルアタックで行く」

 今季2勝目を挙げて流れを引き寄せたこのモルビデッリと対照的に、決勝で流れが暗転したのが中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)だ。

 モルビデッリはフロントロー2番グリッドからのスタートだったが、中上はそのひとつ前のグリッド、ポールポジションを獲得していた。中上にとって、これはMotoGPクラスに昇格した2018年以降、3年目のシーズンで初めて獲得した記念すべきポールポジションだ。さらにいえば、このレースウィークでもっとも順調にセッションを積み重ね、土曜午後の予選終了段階で決勝に向けた最有力候補と見なされていたのは、実は中上だったのだ。

 金曜午前のフリープラクティス(FP)1回目で2番手タイム。午後のFP2はトップで、初日総合首位。土曜は、午前のFP3と午後のFP4で2番手。続く予選でポールポジション。と、ここまでのセッションを見れば、着実に内容を積み上げて獲得したポールポジションであることは明白で、中上は速さと強さの両面で誰よりも高い安定感を見せていた。