レッドブル・ホンダ、初開催サーキットで逆襲。勝利のカギはタイヤにあり (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 ピレリは未知のグランプリに対してコンサバティブなアプローチで最も固いタイヤを持ち込んでいるが、これをうまく使いこなすことが今週末のカギを握ることになるかもしれない。

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 レッドブルは極寒のニュルブルクリンクで好走を見せた。中低速コーナーが連続するセクター1で速く、同じようなコーナーが多いアルガルベでも好走が期待される。

 ニュルブルクリンクにはフロントウイング、ミラーやHALO周辺の整流フィン、リアサスペンションなど細かなアップデートを投入し、ロシアGPで試したコンパクトなサイドポッドと合わせて、マシン挙動はかなり改善されたようだった。

 予選で0.293秒差に迫ったフェルスタッペン曰く、マシンのフロントとリアがバラバラの動きをすることはなくなり、マシンバランスが向上したという。シーズン序盤にコーナーの入口で苦しみ続けた突発的なマシン挙動の元凶が、ようやく改善されてきたのだ。

「マシンの(前後バランスの)一体感が増したように感じられた。ニュルブルクリンクではいい週末を過ごすことができ、マシンも一歩前進できてメルセデスAMGとのギャップを縮めることができたと思う。今週末どこまでやれるか、また新しいサーキットで走るのが楽しみだよ」

 メルセデスAMGはすでに今季型W11の開発を終了して2021年型マシンに目を向けているというが、レッドブルは今季型の改良作業を継続している。というのも2021年は、今年のマシンをベースに大きな変更を加えることなく戦うレギュレーションになっているからだ。

 つまり、現行マシンの改良作業は、そのまま来年にも生きてくる。むしろ、現行マシンに問題を抱えているなら、今のうちに原因の究明と対策を済ませておく必要がある。

「このクルマに対する理解を深め続けることのほうが重要だ。今このマシンの開発を進めて理解を深めることは、来年にとってもいいこと。メルセデスAMGが何をやっていたとしても、それが僕らにとっても同じようにうまく機能するとは限らない。だから、僕らは僕らのやり方でプッシュし続けていくだけだ」(フェルスタッペン)

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