レッドブル・ホンダ、初開催サーキットで逆襲。勝利のカギはタイヤにあり (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 GTマシンでのドライブは楽しかったらしいが、F1マシンにとってはほとんどが中低速のコーナーになってしまう。実質7箇所しかないコーナーの大半は退屈なものになってしまうかもしれない。

 一方、アップダウンの激しさはドライバーのドライビングに影響を与えるものの、マシンのセットアップという技術面においてはそれほど大きな影響は及ぼさないという。

「高低差変化がすごく多くて、レイアウトはとてもクールだよ。ちょっとテクニカルだけど、全体的に速度域の高いサーキットだし、F1マシンで走るのを楽しみにしている」

 大きく見える高低差もせいぜい30メートルほどで、それ自体はスパ・フランコルシャンのオールージュやサーキット・オブ・ジ・アメリカズのターン1と、それほど大きな違いはない。ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「ある意味、標準的なサーキットかと思います。起伏に富んでいて、アップダウンがコースに折り込まれている感じですね。上がったり下がったりが何度か繰り返されていますけど、一番高低差があるところで30メートルほどですから、そんなに急激に上り下りがあるという感じでもありません」

 パワーユニットのセッティングとしては、前回のニュルブルクリンク(第11戦アイフェルGP)ではわずか1時間のフリー走行で仕上げることができてしまったため、アルガルベが初開催といってもそれほど心配はなさそうだ。

 気温は20度を超え、路面温度は30度以上と、この時期のヨーロッパにしては格別の気候。日曜には雨の恐れもあるが、「人生いろいろと従うしかないことばかりですけど(苦笑)、天気はとくにしょうがないですからね」と、田辺テクニカルディレクターも運を天に任せる。

 かつてのアルガルベは、バンピーな路面で知られていた。だが、このグランプリ開催に先立って路面は再舗装され、グリップレベルが上がっている。

 そもそも全開で走る最終コーナーや高速のターン1などタイヤにかかる負荷は大きい。さらにはアップダウンのせいで、横方向だけでなく縦方向にも大きな負荷がかかる。

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