次の日本人F1ドライバー候補。角田裕毅はレッドブル重鎮のイチ推し (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

「1回目はランド・ノリスとチームメイトのジェハン・ダルバラと僕の3台で、そのなかでは2日間を通して僕が一番速かったんですけど、すごく勉強にもなりました。0.1秒差で競い合って最終的には勝ちましたけど、とくにノリスから吸収するものが多かったですね。

 2回目はノリスとカルロス・サインツと僕の3人で走りました。その時はマクラーレンのふたりが2日間走って、僕は後半の1日だけ。新品タイヤを履いてアタックしたら、サインツには1000分の1秒差で負けてしまいました」

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 F1ドライバーの技術に直接触れることや、それと遜色ない走りを見せることによる自信は、ヨーロッパの第一線で戦っていなければ絶対に得られないものだ。角田はそういう経験を積み重ねて、速さだけでなく強さも身に着けている。

「次元が違うな、と思うほどの違いはなかったし、彼らに何かアドバイスしてもらうことはありませんでしたけど、データはすべてオープンなので、どこがいいのか悪いのか、お互い見ながらエンジニアと一緒に直していくという感じでした。

 ただ、小さいコーナーのマシンの向きの変え方はうまいなと思いました。高いスピードで入っていきながらも(出口で)ちゃんと立ち上がれる向きにして、コーナー後半の速度を落とさずに立ち上がって行く。そういうのは勉強になりました」

 2020年のFIA F2に挑むにあたり、彼はスーパーライセンスポイントの取得基準を満たすランキング4位を目標にするのではなく、速さで周囲を納得させてF1にいくこと、それも初年度でそれを果たすのだと宣言していた。

「マルコさんからは『選手権4位以内には入らないとね』と言われていますし、自分自身も今年が勝負だと思っているので、それを目指して戦うつもりです。1年目ですけど、逆に僕的には今シーズンしかチャンスがないと思っています。

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