ホンダF1、失敗できないレースでいい仕事。悩みの「挙動変化」も改善 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 いつも冷静な田辺テクニカルディレクターも、レース後は安堵の表情を見せた。今までどおり全力で戦うだけだとは言いながらも、いつも以上に絶対に失敗は許されないというプレッシャーもあったのだろう。

「4台完走・4台入賞はなりませんでしたけど、自分たちのトラブルやミスでチームやドライバーの足を引っ張ることなく走れましたし、2日間開催というなかでもきっちりと仕事ができました。ポジションは2位でしたが、我々の持てるパフォーマンスを最大限に引き出した結果なのでよかったと思っています。

 撤退発表のあとですから、ボロボロになってしまうような結果だと、いろんな話も出てきてしまいますから。1戦1戦、今までとまったく変わらず、きちんとやっていくということは変わりません」

 ニュルブルクリンクは回り込むような中高速コーナーがあり、アップダウンもあって鈴鹿サーキットのような雰囲気がある。各車とも最大ダウンフォースパッケージで走るサーキットであり、シーズン序盤戦にはレッドブルがマシン挙動の不安定さに苦しんだタイプのサーキットでもある。

 しかし、ロシアGPで試験投入したコンパクトなサイドポッドや、フロントウイング翼端板にも小改良を加え、マシン挙動はかなり改善されたようだ。FP3の走り始めから挙動はよく、むしろメルセデスAMGを上回るタイムを記録するほどだった。

◆「レッドブル・ホンダとフェルスタッペンが覆したF1の常識」はこちら>>

 フェルスタッペンも、その手応えを感じている。

「2位という結果自体はいいことだよ。レースを通してルイス(・ハミルトン)を追いかけることはできたし、彼のほうが少し速かったけど、僕らとしてはレース週末全体がポジティブだった。

 新パーツを持ち込んで、マシンは間違いなくインプルーブした。さらにもっとこのクルマのことを学んで、マシンの理解を深めていかないとね。今週末は(走行時間が少なくて)少し短すぎたけど、今後さらに改善することはできると思う。次のレースではもっとトライしていくことになるね」

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