2020.09.25

レッドブル・ホンダの課題を中野信治が指摘。「僕も経験した状況が再び」

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●写真 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レッドブルのデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイは、空力効果を最大限に生かすため、レーキ角(マシンの前傾角度)を大きくとったマシンを10年ほど前から作り続けています。ニューウェイが先鞭をつけた、レーキ角を大きくとるというコンセプトはデビューした当初は非常に効果的だったと思います。しかし、レギュレーションが変わっていく中で、徐々にエッジの効いたクルマになっていっているように見えます。

 その結果、限られたドライバーだけしかマシン性能の100%を使い切れなくなってしまっていると思います。今のレッドブルを見ていると、歴史は繰り返すんだな、と感じますね。まさに僕がF1で走っていた時代(1990年代)と状況がそっくりです。 

自らのF1ドライバー時代を振り返る中野氏(photo by Sportiva)自らのF1ドライバー時代を振り返る中野氏(photo by Sportiva)  当時、ミハエル・シューマッハが強かったので、多くのチームが彼のマシンを模倣して作っていました。いわばシューマッハがトレンドを生み出していたのです。ところがシューマッハのドライビングスタイルに合ったマシンはすごく特殊で、彼以外のドライバーが速く走らせることができませんでした。

 僕が所属していたプロストのマシンは、まさにシューマッハがドライブしていたベネトンを模倣して作られていました。今、フェルスタッペンがドライブするレッドブルほどではないと思いますが、非常にエッジが効いたマシンでした。

 当時、僕のチームメイトだったオリビエ・パニスは何とか乗りこなしていましたが、僕自身は1年間ドライブするのにすごく苦労しました。だからガスリーやアルボンの気持ちが想像できます。