逆襲のホンダは手応え、王者トヨタに焦り。スーパーGTは混戦模様 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 ただ、チャンピオンシップでは、レースのうまいGRスープラ勢が巻き返してくるんじゃないかなと思っています。前半の結果は上出来ですが、まだまだ我々もがんばらないと」

 今季からGT500クラスに導入された新規定に基づき、NSX-GTをFR化したホンダ。そのためシーズンインの直前まで試行錯誤が続けられたこともあり、マシンの熟成はシーズンを戦いながらやっていくしかないと、佐伯LPLは開幕の段階で話していた。

 だが、実際には"ホンダは思ったほどライバルに後れをとっていなかった"ということかもしれない。それに加えて、"実戦"を4回戦ったことでノウハウも相当蓄積され、パフォーマンス向上に活かされているのも要因のひとつと言えるだろう。

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 シーズン前半戦のなかで、ホンダ勢のパフォーマンスが着実に向上してきているのは確かだ。開幕当初にあった「トヨタ絶対有利」という流れは、ここにきて崩れ始めている印象である。10月から始まるシーズン後半戦に向けて、ホンダの注目度がさらに高まるのは間違いない。

 しかしながら、チャンピオンシップはこれからが本番。過去に幾度となく年間王者の獲得に挑戦して敗れてきた塚越も、シーズン後半戦に向けて気を引き締めていた。

「今回の2勝目も、まだ通過点でしかないと思っています。やはり目標はチャンピオン。そのためには荒れた天候などに翻弄されるのではなく、それを味方にするような強さを手に入れて、チャンピオンを獲るためにベストを尽くします」

 ライバルたちはホンダの勢いを止めることができるのか。シーズン後半戦は、ますます目が離せない展開が待ち受けていそうだ。

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