2020.09.17

逆襲のホンダは手応え、王者トヨタに焦り。
スーパーGTは混戦模様

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 この日の17号車の速さには、ライバルたちも脱帽した。

 2位表彰台を獲得した38号車の立川祐路は「今週は勝つつもりで来ていたけど、今日は負けました」と語り、石浦宏明も「1周で1秒くらい違ったので、とてもじゃないけどついていけなかった。17号車のほうが(ウエイトが)重たかったのに、あれだけペースが違ったので、僕たちもいろいろと見直さなければいけない」と17号車の速さを素直に認めた。

 シーズン序盤で活躍できても、成績に応じて課せられるウエイトハンデの量が増えていくため、シーズン中盤以降は大量得点が難しくなる。17号車も第4戦はGT500クラスのなかで比較的重いハンデ(46kg)を背負っていた。それにもかかわらず、ライバルをまったく寄せつけない力強いレース運びを見せたのは驚きだ。

「すばらしいレースになった。今回は46㎏のウエイトハンデを積んでいたので苦しかったのだが、その分、前回(第2戦)よりもうれしい優勝になった」

 レース後、バケットは満面の笑みを見せていた。

 開幕戦ではトヨタ勢がトップ5を独占するなど、今シーズンは「トヨタ一強」の構図になるかと思われた。しかし、ライバルもそう簡単に引き下がるわけはなく、この第4戦ではホンダ勢の強さが際立った。

 予選では、ホンダの5台全車がQ2へと進出。そして決勝では、優勝した17号車以外にもRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(ナンバー16)が3位表彰台を獲得し、RAYBRIG NSX-GT(ナンバー100)も5位に食い込んだ。

 今ではトヨタをしのぐほどのパフォーマンスを見せているホンダ。その快進撃の要因は何なのか? 同陣営のスーパーGTプロジェクトを指揮する佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダー(LPL)は、シーズン前半戦を振り返り、このように説明した。

「初めて共通モノコックを使ってFRのクルマを作り、我々は(ライバルのFR車両に対して)ものすごく後発の位置にいるので(開幕前は)相当苦戦するだろうと思っていました。しかし、シーズン前半戦はすべてのレースで予選最前列を獲得し、優勝も2回できました。みんなでがんばっていいクルマを作ることができたんだな、という実感はあります。