レッドブル・ホンダは前戦よりよくなる。未知のムジェロで巻き返しへ (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 エンジニアはシミュレーターでかなり準備をしてきているけど、実際に走ってみてファインチューニングは必要だ。いつものレース週末よりも金曜日の重要性が高くなることは間違いない」

 車体の空力性能も、パワーユニット性能も、そしてタイヤをうまく使うマネジメントも、高いレベルで要求されるサーキットだというわけだ。

 モンツァでホンダは、フェルスタッペンのパワーユニットにトラブルが発生してリタイアを余儀なくされた。これはオーバーヒートによるイレギュラーな問題によって、パワーユニットを守るために出力が抑えられた状態になったことが確認されている。

 それも、走行中の冷却風不足ではなく、赤旗中断時のオペレーションに原因があったようだ。停止時にはすぐに冷却風を送り込むブロワーをマシンに装着するのだが、冷却が十分でなかったのか、赤旗中に行なった約3分間の暖機運転の際、慌ててドライアイスをブロワーに放り込む場面もあった。

「レース後に解析した結果、エンジン自体には基本的に問題がないので継続使用します。高温コンディションが影響していたと思われますが、今週末もかなり暑くなりますので、クーリングのセッティングなどを考慮してしっかりと備えていきたい」

 モンツァでレッドブル・ホンダが惨敗に終わった一方、アルファタウリ・ホンダは勝利を掴んだ。アルファタウリ担当のメンバーはささやかな祝勝会を行ない、彼らとは隔離された状態で生活しているレッドブル側の田辺テクニカルディレクターは、オンライン飲み会の場で祝いの言葉を贈ったという。

 次はレッドブル側が、ささやかではない祝勝会を行ないたいところだ。

 17戦で行なわれる2020年シーズンも、この第9戦で折り返し地点を迎える。大幅な性能向上につながる開発が難しい情勢ではあるが、タイトル争いを本気で考えるならば、ここがレッドブル・ホンダの正念場となる。

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