ホンダは大丈夫なのか? MotoGPはKTMが2回目の優勝で勢力図に変化あり (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 現地時間午後2時に始まったレースは、28周で争われる予定だった。だが、17周目にブレーキコントロールを失ったマーヴェリック・ヴィニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)のマシンが1コーナーアウト側のエアフェンスへ突っ込み、炎上する出来事があった。即座に赤旗が提示されてレースは中断。しばらく後に、残り周回の12周で第2レースが行なわれた。その第2レース最終ラップの攻防が、上記の内容だったというわけだ。

 赤旗が提示された第1レース中断時にトップを走っていたのは、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)。2番手には中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)がつけていた。この時、エスパルガロは、ミルから4秒差の4番手、オリベイラは6番手を走行していた。

 もしもアクシデントが発生せずに第1レースが中断していなければ、おそらくレース結果は別のものになっていただろう。MotoGP2年目のミルは、ここレッドブルリンクで先週開催されたオーストリアGPで、初表彰台となる2位を獲得している。今回のレースウィークでは、その勢いを駆ってますます戦闘力に磨きをかけていた。

 土曜の予選を終えたミルに、「かなり調子が良さそうだし、今回は優勝が現実的に見えているのでは?」と訊ねてみた。

「セットアップ面でもだいぶ仕上がってきた。走行データを見ると、自分たちのペースは1、2を争うレベルだと思う。しかも、ただ速いだけじゃなくて、高い水準で安定している。だから、明日は行けそうな気がするよ」

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