レッドブル・ホンダ、唯一の光明。「予選でメルセデスと0.5秒差なら...」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 ファクトリー勤務となったレニーは、レッドブルジュニアドライバーの育成も兼ねたシミュレーター運用などを担当していた。だが、F1の現場運用経験が豊富なレニーのほうが問題点に気づくのが速いのではないか、ということらしい。

「マイクに何か問題があったわけではないけど、マシンがとてもトリッキーでドライブしづらい状況では、経験のあるエンジニアが必要だというチームの判断。サイモンなら十分な経験がある。F1のことをよく知っている彼なら、正しい方向性へと導いてくれるんじゃないかという考えなんだ」(アルボン)



 シーズン途中の、それも3連戦と3連戦の間というタイミングでの交代は異例中の異例だ。

 ドライバーにとってレースエンジニアは最大の理解者であり、走行中の無線交信を通じた唯一の窓口である。そんな相手をこのような形で交代させなければならないほど、今のレッドブルは苦しい状況に立たされているということだ。

 なにせ開幕から11週間で9レースが進んでいってしまう。早急に手を打たなければ、チャンピオンシップはあっという間に終わってしまう。

 問題は空力パッケージにあり、簡単に解決できる問題でないことも確かだ。それだけに、少しでも打てる手は打っていく。

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「今回もFP1とFP2では、マシンのことをもっと理解するためにいくつかのテストを行なう予定だ。一朝一夕に問題を解決することはできないと思うけど、それでも僕らは少しずつこのマシンに対する理解を深めていけるはず。マシンがよくなっていくことは間違いない。あとは時間の問題だ」(アルボン)

 ホンダ側も、開幕3戦分のデータとシミュレーションのデータをあらためて総合的に見直し、パワーユニットの使い方の面でさらなる熟成を進めてきた。

 13戦目までのカレンダーが発表され、使用可能なコンポーネント数は3基で年間15戦以上となることはほぼ確実。そのような情勢となったこともあり、シーズン全体を通してのパワーユニットの攻め方も含めて、見直しを進めてきたようだ。

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