不屈のホルヘ・ロレンソ、ロッシと一触即発。MotoGPでも大暴れ (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 実際に、ロレンソは最高峰クラスにデビューした瞬間から、ロッシが強烈に意識せざるを得ないほどの高いパフォーマンスを発揮した。
MotoGPデビュー時から実力を見せつけたロレンソMotoGPデビュー時から実力を見せつけたロレンソ デビュー戦の開幕戦カタールGPから第3戦のポルトガルGPまで、3連続ポールポジション。レースリザルトは、デビュー戦で2位表彰台、第2戦で3位、そして第3戦ではついに優勝。ロッシが警戒するのも当然であることを、自らの走りで証明してみせた格好だ。

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 しかし、好事魔多しというとおり、次の第4戦中国GPでは派手なハイサイドクラッシュで左右の両足を負傷。しかし、そんな満身創痍(そうい)の状態でも、ロレンソはチームスタッフの手を借りてマシンにまたがり、決勝レースに臨んだ。結果は4位。

 この年にチームの総監督を務めていたヤマハ発動機の中島雅彦は「シーズン序盤の活躍、3連続ポール(ポジション)から3戦目で勝ってしまう適応力の高さには驚いた」と述べ、さらに中国GPでの転倒についてはこう話した。

「下のクラスから上がってきた若いライダーを今まで何人も見てきたけれど、1年目は大抵、壁にぶち当たるものなんですよ。序盤3戦の走りには驚きましたが、でも、やっぱり『ああ、その壁はやはりホルヘにもあったんだなあ』とも思いました」

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