第3戦、レッドブル・ホンダは得意コースで一矢報いることができるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy


 彼らはマシンを信頼してプッシュできるし、しっかりと安定している。それは1周のラップタイムだけでなく、(決勝での)タイヤライフにも影響する。その点においても、彼らはかなり突出している」

 メルセデスAMGのほうがマシン挙動の安定性で圧倒していたことについて、チームメイトのアレクサンダー・アルボンも賛同する。

 アルボンに至っては、第2戦より開幕戦のほうが気持ちよく走れる状態だったと言う。それは新型ノーズを使いこなせていないことと合わせて、RB16の性能を引き出しきれないレッドブルの苦戦を物語っている。

 リアの新型翼端板スリットは2台ともに採用し、それなりに効果を発揮した。だが、レース途中で2台ともにスリットが折れて飛散し、いずれも4本のうち1本しか残っていなかった。

「投入したアップデートはきちんと機能してくれた。だけど、先週はウエットコンディションだったからあまり走行時間がなくて、その速さを引き出すためには、もう少し時間が必要だ」

 もちろん、ホンダのパワーユニットがパワーでメルセデスAMGを圧倒していれば、ダウンフォースを多めにつけても直線で負けることはなかったかもしれない。

 しかし、現行規定7年目を迎えたパワーユニットで他社に大きな差をつけるのは、理論的に言って非常に難しい。そしてなにより、今季はシーズン中の主要コンポーネントのアップグレードができない以上、出力の向上は難しい。

 つまり、現状のパワー勢力図のままで戦わなければならない、ということだ。

「なかなか難しい結果でした。今回に向けてできることは何か......チーム側も我々も考えていますし、マシンパッケージとしてパフォーマンスを最大限に絞り出して戦いたいと思っています」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語るが、一朝一夕にマシンを改良することは実質的に不可能だ。手もとにあるパッケージの性能をフルに絞り出すことくらいしかできないのも事実。

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