佐藤琢磨も奮闘のインディカー。
アメリカのコロナ感染者数増で今後は?

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • photo by AP/AFLO

 レースが残り5周を切ってから、オーワードのリードが一気に消えた。彼が最後のピットストップで装着したユーズドのソフトタイヤのグリップがなくなってしまったのだ。対するローゼンクビストは新品のハードタイヤを最後の走行に当てていたので、スピードダウンしなかった。

 残り2周、ローゼンクビストがオーワードにアタック。若い2人はマシン同士を軽くだが何度も接触させながらバトル。ローゼンクビストはオーワードを破り、念願のインディカー初勝利をデビュー2シーズン目で達成した。

「去年から何度も勝てそうなレースがあった。今日、ついに勝つことができてとてもうれしい。開幕からマシンがよかったので、その優位性があるうちに必ず勝たないといけないと考えていた。昨日は集団に埋もれたので、今日はピットタイミングをズラして自分のベストで走れる時間帯を長く取れるようにした。最後のピットで相手がソフトを選んだと聞いて、『チャンスあり』と思った」と、ウィナーは語った。

 4連勝を狙ったディクソンは、セッティングが悪く、タイヤの性能をフルに活かせなかったうえ、最後のピットストップでエンジンをストールさせ、12位だった。3位には、開幕3戦で15位、25位、19位と惨憺たる成績を残してきたアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が入った。

 開幕からシボレー勢は4連続でポールポジションを獲得。しかし、レースはホンダがチップ・ガナッシ・レーシングとともに4連勝を挙げている。昨年までチーム・ペンスキーしか勝てるチームのなかったシボレーは、マクラーレンが優勝を狙える第二のチームとなる期待が出てきた。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は、開幕戦は予選でクラッシュして決勝出場が不可能となったが、インディアナポリス・モータースピードウェイの第2戦では10位フィニッシュ。ロードアメリカでは9位と8位と、3レース続けてトップ10入りしている。

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