佐藤琢磨も奮闘のインディカー。
アメリカのコロナ感染者数増で今後は?

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • photo by AP/AFLO

 主催者は入場者数を発表しなかったが、2日とも3万人を越すファンが詰めかけていた。現在アメリカでプロスポーツが行なわれているのはレースとゴルフぐらい。ロードアメリカでのレースを待ち焦がれていた人が多かったということだ。

 レース1。ポールポジションからリードしたのは2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シボレー)だった。しかし、ピットストップでタイムロスし、ディクソンが開幕からの3連勝を達成した。開幕3連勝は伝説のドライバー、AJ・フォイトが1964年に、アル・アンサーが1971年に記録している。シリーズが二分していた2006年には、出場チームに強豪の少なかったチャンプカー・シリーズでセバスチャン・ブルデイが開幕4連勝している。これらのドライバーは全員、そのシーズンにチャンピオンになっている。

 表彰台でディクソンは、「ファンがサーキットに来てくれている。本当に喜ばしく、彼らの前で勝てて最高の気分だ。ウィニングラップでターン5に向かって下っていくと、大勢のファンが歓声を送ってくれた。嬉しくなって、彼らのリクエストしていたスピンターンを何回か披露した」と語った。

 物静かで派手なことが好きではないディクソンだが、無観客のレースで2連勝したあとだけに、ファンと一緒に勝利を祝いたくなったのだろう。

 翌日のレース2では、若手が驚くべきパフォーマンスを見せた。ポールポジションは21歳のメシキコ人ドライバー、パト・オーワード(アロー・マクラーレンSP/シボレー)が初獲得。2位は20歳のカリフォルニア出身、コルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート/ホンダ)。3位は前日に3位フィニッシュしてヒーローとなっていたスペイン出身の23歳、アレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴー/ホンダ)だった。

 オーワードはレースでも速さを保っていた。ハータとパロウがタイヤの摩耗に悩まされて後退する中、急浮上してきたのはフェリックス・ローセンクビスト(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)だった。

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