スーパーGT、トヨタ独走に待った!ホンダが新パーツで好タイム連発 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • photo by ©GTA


「正直、これをつけたからと言ってダウンフォースがめちゃくちゃ増えたとか、何かが大きく変わったかと言われると、そうではないです。ただ、新しいものをつけたことによって、何か悪さをしてしまうようなことは確実になかったと思います。ほかのチームからもネガティブな印象は聞こえてきていません」

 3月の岡山テストの段階では「GR Supraで今季を戦うトヨタ勢が一歩リードなのではないか」という噂が強かった。だが、ホンダの新パーツ導入を機に、その流れが変わったのは確か。テストの結果をみてもわかるとおり、ホンダ勢がトヨタ勢の牙城を崩す勢いのパフォーマンスを披露した。

 もちろん、トヨタ勢も相手の動きをかなり警戒している様子。今回のテストで「ホンダ勢が頭ひとつ抜け出た」と確定するには時期尚早だろう。

「仕上がりだけ見ると、Supraはやっぱり仕上がっているなと思います。一方、GT-Rはスピードがないわけではないけど、少しトラブルが目立った印象でした。でも、日産も開幕戦までに修正してくると思います」(山本)

 開幕前テストでは、ホンダ勢が多くのセッションでトップタイムを記録した。しかし、どのセッションの上位にもトヨタ勢は食い込んでおり、タイム差は接近している。

 新パーツの登場で勢いに乗るホンダ、シーズンオフから下馬評の高いトヨタ、トラブルからの巻き返しを図る日産......。新型コロナウイルス対策のために現地でレースを観られないのは残念だが、例年以上に目が離せないスーパーGT開幕戦となることは間違いなさそうだ。

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